モノとの付き合い方

モノと市場

人がモノに出会うためには、市場に出向く必要があります。現代の市場はインターネットによって、誰でもいつでもどこからでもアクセスできるようになりました。このインターネットを活用して、世界を席巻するプラットフォーマーは圧倒的な投資により他の追随が不可能なレベルのサービスを提供しています。ECならばAmazon、動画ならYouTube、発言ならTwitter、コミュニティならFacebook、すべてのモノをつなぐ検索エンジンGoogle

モノとの出会いのレイヤーがインターネットシステムにオーバレイされているような状況。これが今の市場とモノの主流な関係です。

プラットフォームが選別するモノ

モノはプラットフォームに乗ることで、ユーザがアクセスできるようになります。市場を提供する側が陳列する権限は、インターネット以前から存在していましたが、それを忘れてはなりません。プラットフォームの意図によって、モノとの出会い方が決まります。

ユーザによるモノの選択

プラットフォームが提示するモノは、ユーザの行動傾向に基づいて変化します。陳列方針とユーザの行動傾向により、ユーザが閲覧しやすいモノが決定されます。現在のプラットフォームは、ユーザの意思が反映されやすいデザインになっていると感じます。そのため、クリエイターはユーザのアクセスを誘うためにプレビューや概要を工夫するようになりました。

PVのための過激な表現

閲覧数=PV稼ぎは加熱の糸をたどるばかりです。特にYouTubeは、極端な意見や暴言が目立つサムネイルが多くなっています。ただ煽るだけでモノが伴っていないものや、モノは良いが過激な表現をする必要があるものは、残念なことです。

我々ができること

この状況を打破することは到底不可能だと考えます。人間の性質を変えることはできないし、プラットフォームになにか革新的なアルゴリズムが組み込まれるとは思わないからです。

人の性質とプラットフォームとうまくつきあっていくしかないです。具体的には以下のように行動できると思います。

  • ユーザとして意識的に自分の行動を捉えたり、極論に振り回されない。 ものごとは大体の場合2極ではなく、グラデーションであることを念頭に置く。

  • クリエイターとしては、過剰な表現をモノの内部まで巻き込まない。

優れたモノが埋もれてしまうのは非常に残念です。しかし、他の誰かの不幸を願うわけにはいかないですし、ユーザとクリエイターの双方が市場を活用できるように意識し続ける必要があります。