認識と共感

参考

宣伝大臣 ゲッベルス 〜ヒトラーに熱狂したプロパガンダの悪魔〜

認識は意図的に歪めることができる

認識は、文字/映像/言葉を媒介にして存在するファクトを消したり、書き換えたり、編集することによって、意図的に変えることができます。 メディアから得られる情報は、すでに編集された情報であり、それが我々の日常生活の基本情報になります。 この事実を常に意識しなければ、意図的な情報操作によって意思を操作されてしまう可能性があります。 しかし、全てを疑うことは現実的ではないため、情報リテラシーを駆使し、バランスを取りながら考えることが重要です。

共感による認知操作

エンターテインメントは最大の宣伝/広告手段となります。映画や音楽などを通して観客の共感を引き出し、極端に言えば思考を操作することが可能です。 人間は感情に訴えることで説得されやすい傾向があります。このような認知バイアスに気づくことが、情報リテラシーの一つだと思います。 共感は心地よく、私たちは誰かと共感することで一体感を感じることができます。

かつて扇動の天才と言われたヒトラーゲッペルスは、「プロパガンダとは感情に訴えるものであり、知性に訴えるものではない」と言いました。 人間はファクトよりも物語的なものに興味を持ち、その瞬間の感情で行動してしまいがちです。 ただ単に共感することを避ける手段として、ファクトを重視し、多角的に物事を考え、自己の認知プロセスを見つめ直すことが大切になります。

まとめ

情報を受け取る側としては、情報に反射的に行動せず、情報リテラシーを駆使し、権威や心地の良い共感の物語には特に注意を払う必要があります。 発信者としては、共感は強い力を及ぼすことを理解し、悪用すべきものではないです。目指すべきは教養の書でいうところの「共感なき連帯」であろうと思います。